清水宏一 市役所前にて 紋付袴
(財)日本交通公社の旅行動向シンポジウムに出演しました
第19回 旅行動向シンポジウム
今なぜ京都だけが一人勝ち!?~集まる秘密(わけ)を解く
市場分析:旅行マーケット最新動向、どうなる2010年
京都への観光客数は13年連続増加、8年連続で過去最高を更新しています。90年代は4000万人弱で推移していたのですが、2000年以降年々増加し、昨年はついに5000万人を超えました。01年に掲げた「2010年までに5000万」の目標を2年も早く達成したのです。 全国的に伸び悩む旅行市場、なぜ京都だけが毎年伸び続けているのでしょうか。今年のシンポジウムは、今、なぜこれほど京都人気が高いのか、その背景と仕掛けを様々探りながら、他の観光地、観光産業の活性化に役立つ普遍的な要素を発見してまいります。
海外旅行経験を積み世界目線を持つ日本人が増え、京都の見方が変わった?
日本文化回帰への志向が、新しい京都の見方を促した?
観光の視線が有名なお寺から町なかへと変化しています。
京都の自然や暮らしの知恵を見直し、日常の生活文化のなかに”私だけの京都”を発見して楽しむ観光客。
「好調の理由は、市民、観光関連団体、経済界が”オール京都”で観光振興に取り組んでいるから」と京都市観光企画課。変化は観光客と迎える京都側の双方にありそうです。その相乗効果から新しい観光、新しい旅のスタイルが生まれようとしているのではないでしょうか。ゲスト講師には、京都ブームの仕掛け人でもある、もと京都市観光政策監の清水宏一氏と、本年『京の着眼力』を出版されたマーケティングコンサルタントの谷口正和氏をお招きし、京都の集客力の秘密をいろいろな角度から読み解きます
(プログラム)
第1部 旅行マーケットの最新動向と2010年の展望
世界経済危機、新型インフル、雇用状勢の悪化など、依然として厳しい外部環境が続く一方で、円高や成田・羽田の供給量増加、さらには高速道路の割引制度など、マーケットを刺激する要素もある2010年。最新の調査結果を踏まえ、2009年の旅行・観光マーケットの動向、及び2010年の市場動向の予想について報告します。プレゼンター:黒須 宏志 (財団法人日本交通公社 主任研究員)第第2部 今なぜ京都だけが一人勝ち!?~集まる秘密(わけ)を解く
70年代から詳しく統計をとってきた京都市の資料を見れば、観光客の変化は一目瞭然。「これまでに10回以上も訪れた」というハードリピーターが今や半数を占めています。有名なお寺めぐりから町なかへと観光スタイルは大きく変わりました。そんな”普段着の”京都好きの増加が、京都の戦略によるものだとしたら…?京都検定をはじめ、中高年の知的好奇心をくすぐる戦略はどのように生まれたのか。京都デジタルアーカイブは京都ブームにどうかかわったのか。京都市の観光をリードし、自らも幅広い活動を実践してきた清水氏からその仕掛けについてうかがいます。谷口氏には、旅行者マインドを変化させる日本回帰志向など大きな社会トレンドと絡めて解説していただきます。また、『京の着眼力~小さきをめでるこころ』から、伝統と新しさが共存する京都のライフスタイルと観光の関係についてうかがいます。
◎ゲスト講師
◆清水宏一 氏 (株)時有人社 代表取締役教授/メルパルク(株)取締役
1945年京都生まれ。京都大学法学部卒業。京都市産業観光局理事、京都デジタルアーカイブ研究センター副所長、京都市観光政策監を経て06~09年まで平安女学院大学人間社会学部教授。専門は観光学。本年よりメルパルク(株)取締役。07年、池坊美佳氏とともにワタベウェディング(株)の「京都和婚」をプロデュース。関西ベンチャー学会常任理事。
◆谷口正和 氏 (株)ジャパンライフデザインシステムズ 代表取締役社長
1942年京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。(株)東急エージェンシーを経て81年(株)ジャパンライフデザインシステムズ設立。コンセプト・プロデュース、経営コンサルテーション、企業戦略立案、地域活性化計画まで幅広く活動。会員制ワークショップとして「文化経済研究会」を主宰。立命館大学大学院経営研究科教授、京都ブランド研究会・座長など公職多数。近著に『日本へ回帰する時代』『世界目線構想力』『京の着眼力』『アート&シティ』など
◎コーディネーター
小林 英俊 財団法人日本交通公社 常務理事
久保田美穂子 財団法人日本交通公社 主任研究員